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日本にも患者が多い?

セックス依存症ってなに?

タイガー・ウッズをはじめ、ハリウッドセレブなど多くの人がかかっていると報じられた「セックス依存症」日本でも隠れ患者は多いようです。

セックス依存症とは?

セックス依存症は、アルコール依存症などと同じ心の病気です。誤解されがちですが、単なる「淫乱」とか「好色」とか「男好き(女好き)」ではありません。この依存症で記憶に新しいのは、プロゴルファーのタイガー・ウッズだと思いますが、過去にこの依存症だと明かした有名人は、元米大統領のビル・クリントン、俳優のマイケル・ダグラス、ロブ・ロウ、ビリー・ボブ・ソーントン、デビッド・ドゥカブニー、歌手のエリック・ベネイなど、そうそうたる顔ぶれが並びます。昨年は、日本の某人気アイドルグループの女性がセックス依存症だという噂まで飛び出すなど、何かとセックス依存症が話題になっています。セックス依存症の男性をリアルに描いた映画「SHAME-シェイム-」もこの3月に日本公開され、その過激な性描写が話題になりました。この主人公のように、セックス依存症になると通常のセックスでは満足できない傾向にあり、「単に性欲が強いだけ」との境目は難しいとされています。では、どのような状態になると「セックス依存症」に該当するといえるのでしょうか?

「セックス依存症」チェックテスト

「もしかしたら私もセックス依存症?」「彼はセックス依存症かも……」そんな風に感じているなら、このチェックテストを試してください。以下は、セックス依存症の特徴的な症状です。

  • 自分の性的欲望を満たすために、家族や恋人をなおざりにしている
  • セックスのために、他の大事な用事や仕事をすっぽかしたことがある(性衝動に生活をコントロールされる)
  • セックスのことばかり考え、正しい判断、客観的な判断ができない
  • セックスをするためなら、平気で嘘がつける、約束も破る、何でもできる
  • 性欲を感じていなくても、セックスや自慰をせずにいられない
  • 性犯罪をした(しそうになった)
  • 本当はしたくない、複数の人と関係を持つのはよくないと思っていてもやめられない
  • セックスの後、罪悪感や自己嫌悪に陥る
  • 異性には、心の繋がりよりも肉体的なつながりを求めている
  • 初めて逢ったその日に性的関係を持ってしまうことが多い
  • 不特定多数の人と性的関係を持っている
  • 性病のリスクを知りながらも、複数の人との性的関係を断てない
  • セックスの最中だけ、独りではないという安らぎを得られる
  • セックスの最中だけ、生きている実感がある
  • セックスの最中だけ、愛されている、必要とされていると感じることができる
  • セックスに関して、誰にも言えない秘密がある
  • セックスが終わった瞬間、相手への愛情が消え去る
  • セックスへの衝動に駆られると、後先考えずに行動に移してしまう
  • イライラをセックスで鎮めようとする
  • 異性との交流はほぼセックスのみ
  • ポルノ商品や性風俗に莫大な費用を投じる
  • 性的趣味や、不倫、二股恋愛などが原因でトラブルが起きた

上記に該当しているから絶対にセックス依存症だというわけではなく、性欲が強いだけかもしれません。しかし一つでもあてはまれば、セックス依存症の可能性は充分にあるといえるでしょう。「性衝動」がコントロールできない人、チェックの数が多かったという人は、既にセックス依存によって通常の生活が脅かされている状態にあります。

何故セックス依存症に陥るのか?

過去に精神的なショックを受けたことがトラウマとなり、その苦しさから逃避するためにセックス依存症になるとされています。以下がその原因になっているのでは?といわれているものです。

  • 虐待経験
  • 親からの愛情不足
  • 日常的な過度のストレス
  • 自分に満足していない
  • いつも孤独を感じている
  • 過度のコンプレックス

特に信頼関係を築けるべき親や家族に受け入れられていないという思いがあると、その辛さから目をそらし、快感で満たされようとするのです。セックスの最中はそれらから目をそむけ、「愛されている」「生きている」「存在する場所がある」ことを実感できることから、さらに性行為を求めるようになります。

また、摂食障害がある人は何らかの不安や体型のコンプレックスを打ち消すようにセックスに没頭する傾向があるし、セックスに嫌な思い出のある人は他の性行為によって嫌な経験をかき消そうとします。また、同性愛者は恋愛対象の数が少ないため愛を渇望しやすく、過激な性行為に走る人もいます。このように様々な苦しい感情や抑圧が引き金となり、セックス依存症は起こるといえるでしょう。もちろん、これらに該当しない人であっても、セックス依存症に陥る可能性はあります。

次々違う相手を求めるのはなぜ?

セックス依存症には、快感を感じ取る神経である「A-10神経」が大きく関係しています。恋をしてドキドキしている時(特に出逢ったばかりや、不倫などで精神的に不安定な状態)には、フェニルエチルアミン(PEA)というホルモンが多く分泌されますが、このPEAはA-10神経の受容体にはまりこみ、麻薬のように強烈な快感をもたらすとされています。次々違う相手を求めてしまったり、さらに過激な性行為を求めたりするようになるのは、そのドキドキを感じている状態でのセックスが忘れられないから。しかし、そのようなことを繰り返していては、A-10神経の受容体は逆に破壊され、神経の働きが鈍くなっていきます。通常の行為や同じ相手では快感が得られなくなるので、さらに過激な行為や新しい相手を求め、エスカレートしていくのです。そして、そのためなら何でもするようになってしまいます。これが、セックス依存症の恐ろしさなのです。

セックス依存症にかかる人は摂食障害にもなりやすい

そもそも依存症とは、「ある特定の物質や行為により、快感や興奮、心の安らぎを求め続けた結果、それなしでは生活できない状態になる心因的疾患」ですが、この依存症がエスカレートして煮詰まった状態になると、さらなる依存の対象を求める傾向にあります。

1月には女優のデミ・ムーアも、摂食障害と何らかの依存症でリハビリ施設に入所したと報道されましたが、「摂食障害とセックス依存」「仕事依存とセックス依存」など、複数の依存症を併発するのは、珍しいケースではありません。

特に注目すべきなのは、「摂食障害とセックス依存」。脳内にあるセックスを行うための「性欲中枢」と、食を司る中枢(男性は摂食中枢、女性は満腹中枢)は隣り合っているため、食欲と性欲は非常に密接な関係にあります。大量の食事を無理やり食べてその後に吐く……というようなことを繰り返していると、性欲が異様に強くなる、もしくは性的なものへの嫌悪感が強くなる、といった症状が出てきてしまうのです。

治療のために……

治療のためには、過去の辛い経験によるトラウマ、自分の抱えているストレスなどから逃避せず、向き合って癒す必要があります。「依存症なのだから仕方がない」と思っているうちは決して治りません。かなり長期にわたる治療となるので、本気で治したいという決意がなければ挫折してしまうのです。

日本で治療をする場合、カウンセリング、認知行動療法などを取り入れたプログラム、投薬などでの通院治療を行うことが多いようです。そのほか、セックス依存症患者同士が自分のトラウマやしてきたことを告白するグループミーティングも、治療の一環として行われることがあります。ただし、これらは一例であって、すべてのセックス依存症の人がこれら治療法を受けるとは限りません。

ちなみにタイガー・ウッズが入院した米国のリハビリ施設では、6週間入院し、精神鑑定や身体検査などをしてから治療方針を決定し、精神科医による治療や集団カウンセリング、運動、ヨガといったプログラムを行います(ただし、タイガー・ウッズは別途料金を支払い、集団カウンセリング免除のVIP待遇……)。タイガー・ウッズがリハビリ施設に入院してから、各地のリハビリ施設への入所希望者が殺到したそうなので、彼はある意味、同病に悩む人々に治療する勇気を与えた救世主といえるでしょう。

誰かに相談したいけれど、専門機関を受診する勇気はない……という人は、自助グループを利用するという方法もあります。同じ悩みに苦しみ、それを克服した人に相談できれば、どれだけ心強いことでしょう。「セックス依存症 自助グループ」といった言葉でネット検索すると簡単に調べられますが、信用のおけるところかよく調べてから参加するようにしましょう。


セックス依存症の人にとって、セックスは即効性のある安定剤のようなものなのかもしれません。しかし、もっと多くの刺激を……と慢性的な渇望感に苦しむことになります。強制的に刺激を与えているので神経自体も鈍くなるし、「自分はセックスさえしていれば、安心できる」という思い込み(心の罠)が起きます。放っておけば、肉体的にも精神的にも取り返しのつかないことになる可能性も……。だから、少しでも不安を感じているなら、専門機関を受診しましょう。セックス依存症が改善されるだけでなく、あなたが長年抱え込んできたトラウマを解放するきっかけになるかもしれません。

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