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華のある生活

生活の中の身近なハーブ

ハーブと聞くと、セージやオレガノ、バジルなど料理に使う香辛料、あるいはお洒落なアロマエッセンスの原料という印象を浮かべる方が多いようです。でも、お花屋さんや食材店、アロマグッズの店などでわざわざお金を出して買わなくても、私たちのすぐ身の回りに生えている雑草同然の草花の中にも、ハーブとして使うことができる植物が沢山あるのです。今回は、そんな身近なハーブをいくつかご紹介しましょう。

ハーブとは本来、薬草という意味です

本来、ハーブ(Herb)という英語は、「薬草」を意味する「Herba」が語源となっています。

ハーブは、洋の東西を問わず、太古から医療用や美容用を目的として使われていました。それは中国においては漢方薬として高度に体系化され、インドの伝承医学である『アーユル・ヴェーダ』にも、ハーブについての様々な記録が残されています。もちろんヨーロッパや西アジアにおいても、紀元前3000年のエジプトやメソポタミアの時代の人々がすでにハーブについての複雑な知識を持っていたことが、残された当時の記録などから確認されています。たとえばエジプト中王国時代に編纂された医書『パピルス・エーベルス』にも、乳香(にゅうこう)や没薬(もつやく)などの多くの香料植物がハーブとして利用されていたという記録が残っています。

このようにハーブの歴史は、人類の文明の歴史と完全に歩を一にしてきたといっても過言ではありません。ちなみにヨーロッパでは、ギリシャ・ローマ時代にハーブを使う慣習が広まり、中世の修道院などで病気治療用として栽培されながら、少しずつ庶民の暮らしの中に溶け込んでいったと考えられています。

つまり、その香りの作用も含めて、人体に対して何らかの良い働きを示す植物はすべてハーブと言えます。その意味で、ゲンノショウコなど日本在来の薬草もまた立派なハーブですし、今日、私たち日本人の食生活に欠かせないワサビやショウガなども、もとをただせば古い時代に日本に伝わってきたハーブの一種です。周囲を見渡せば、どこにでもある雑草同然の植物の中にも、ハーブとして使える植物は沢山あります。

近所の野原や庭先で手に入るハーブ

アロエ

本来、アロエは園芸植物ですが、大抵の場所で野外越冬するため、住宅地の野原などで半ば雑草化している姿をよく見かけます。また、昔からその薬効は広く知られていましたが、今では寒天などのデザート類やヨーグルトの原料にも使われ、すっかり食品としておなじみになってしまいました。アロエの果肉には健胃作用があり、果肉のゼリー状の部分を塗れば、軽い火傷や傷、虫刺されなどにも効きます。生のアロエというとどうしてもその苦みを気にされる方が多いですが、苦みが強いのはキダチアロエ(写真)という種類です。同じアロエでもアロエベラと呼ばれる園芸種の方は特有の苦みもなく、表皮を剥いた果肉部分をそのままサラダやジュースにして美味しくいただくことができます。

オオバコ

どこにでも生えているヒネこびた雑草というイメージですが、欧米ではこのオオバコの一種を原料とした医薬品も発売されている立派な薬草。漢方でもその薬効は広く知られ、去痰や咳止め、下痢止め、利尿などに効くとされています。家庭での使い方としては、やはり料理にするのが一番でしょう。見た目は葉や茎が固いイメージがありますが、若芽の部分は柔らかいので、それを摘み集め、一度塩ゆでして柔らかくしてから、油炒めや和え物などに使います。また、若芽を生のまま天ぷらにしても美味しいです。

シソ

さまざまな料理の薬味として日々、食卓に上り、梅干しなどの天然着色料としても使われているシソは、ワサビと並ぶ日本の代表的ハーブと言っても良いでしょう。最近では、その殺菌作用や血液を浄化する作用があらためてクローズアップされ、焼酎の原料とされたりシソの実油なども売られたりするようになってきています。もちろん、薬味として使うだけでも十分ですが、ホワイトリッカーに浸けて自家製の健康シソ酒を楽しまれるのも良いかもしれません。その他、クッキー生地に混ぜ込んで焼けば、独得の風味を持つシソクッキーが作れますし、ミキサーでジュース状にした赤ジソを市販のアイスクリームに混ぜ込んでもなかなか乙な味がします。毎夏、こぼれ種でいくらでも生えてくる強さを持っているので、ベランダや庭先で簡単に育てることができるのもメリットです。

ドクダミ

どこにでも生えてきて、なかなか根絶することができないドクダミは、日当たりの悪いお庭の厄介者としてかなり嫌われているようです。しかし、根が少しでも残ればたちまち増えていくその旺盛な生命力には目を見はるものがあり、漢方薬として使われているという事実を知らない方でも、何となく身体に元気を与えてくれそうな印象を受けるのではないでしょうか。服用した場合の漢方的な薬効としては、利尿、便通、高血圧予防などに作用するとされています。葉をよく揉んで腫れ物やおできに当てる民間療法もよく知られていますし、最近では干した葉を使ったドクダミ茶も販売されていますね。自分で葉を干してお茶を作るのはさすがに大変ですが、ドクダミ特有の臭みは高熱を加えることで消えますので、おひたしや天ぷらにすればわりと美味しくいただけます。

タンポポ

最近は、自然食レストランで出されるタンポポコーヒーや、サラダとして食用されることが普及してきたせいか、タンポポも立派に食べられる雑草であることを知っている方も増えています。漢方では、タンポポの根の部分を健胃、強壮、解熱などの目的で用いますが、一般家庭で料理として食する場合は花と若芽の部分を使います。最初からサラダの素材として売られている栽培品は別にして、野原に雑草として生えているものにはアクがありますので、さっと湯がいてから冷水にひたしてアク抜きをしてから使います。アクを抜いた葉と花の部分は、バター炒めやおひたし、和え物、酢のもの、天ぷら、味噌汁の具などに広く使うことができます。

ヨモギ

ヨモギと言えば、いわずと知れた草餅の材料。また、灸に使うモグサの原料としても欠かせません。ヨモギには豊富なカルシウム分が含まれている他、最近ではクロロフィルによる殺菌作用、免疫強化に関わるインターフェロン増強作用なども注目を受けています。家庭で食べる場合には、生の若葉を茹でたのち水にさらしてアク抜きをしてから、天ぷら、ゴマ和え、芥子和え、油炒めなどに使いましょう。また、根の部分を清酒に浸けて半年ほど成分を抽出されたヨモギ酒(ヨモギの根300gに対して酒一升が目安)は、咳などに効くと言われています。食用以外の使い方としては、葉1㎏ほどを木綿袋に詰めて煮出した後、そのエキスを風呂に入れれば、香り豊かなヨモギ湯が楽しめます。


※実際に植物を野山で採取して食用される場合は、できれば植物に詳しい方のアドバイスを受けてください。万が一、誤って毒草などを食されるなどのトラブルが生じた場合も、当編集部では一切の責任を負いません。くれぐれも自己責任にてお願いいたします。

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